白根ゆたんぽさん インタビュー

2009-12-07
- ラジオとの関わりはいつ頃からですか?

中学校の入学祝いに親父が安くて小さなラジカセを買ってくれたんです。それを寝る前に枕の側に置いて、TBSラジオの『夜はともだち』とかを毎晩聴いていました。春風亭小朝さんやおすぎとピーコ、横浜銀蝿とかが15分くらいの枠で代わる代わる喋っていたのがすごく新鮮で、「あ、ラジオにはこんな世界が広がっているんだ」と思いましたね。一時はラジオとの距離が離れていたんですが、10年程前に『電気グルーヴのオールナイトニッポン』を聴くようになって以来、再度ハマりました。最初はその番組だけを毎週火曜日に聴いていたのが、前後の番組とかも気になり始めて。気付いたら一週間ラジオとともに過ごしているって感じです。
- 白根さんがハマったポイントはどこだったんですか?

そのときの電気グルーヴも、同時代からずっとラジオ番組をもっている伊集院光さんも、最近ではTBSラジオで昼にやっていた『ストリーム』とかもそう。みんなテレビでは到底言えないようなきわどいトークを繰り広げるんですよ。で、喋り手たちがたくさんの情報の中から何をひろってどういう切り口でしゃべるか?が面白いんです。それも僕の勝手な解釈では、FMがオシャレでAMがオシャレでないイメージ。例えばクリスマス前のFMは「あなたは誰と素敵なイルミネーションを見ますか」的な内容だけど、AMは「どこへも行くとこがない暇人集まれ!」みたいな(笑)。どっちもいいけど、最近はAMにハマっています。電車で自然と耳に入ってくる、他の乗客のちょっとした会話が意外と楽しい、って感じかな。しかもそれがテレビより早い情報だったりするから、業界の方でもラジオの流れを把握している人ってじつは多いです。
- 欠かさずチェックしている番組はありますか?

午前中に起きる日は、お昼くらいから仕事場で『大沢悠里のゆうゆうワイド』(TBSラジオ)を聴き始めて、毒蝮三太夫さんの毒舌ぶりを楽しんでいます。それからずっとTBSラジオをかけっぱなし。昔のクリーニング店で、アイロンやプレス機の湯気にまみれながらAMラジオがただ流れている雰囲気ですよ。土曜の夜だと『ライムスター宇多丸のウィークエンドシャッフル』や村上隆さんの『エフエム芸術道場』は意識的に聴いています。とくに宇多丸さんの『ザ・シネマハスラー』っていう映画評のコーナー番組が面白いんですよ。「来週はこの映画について語ります」とか言われると、あらかじめ見ておかなきゃって思っちゃう。ネタバレしちゃうし、何について話しているか分からなかったりするんでね。
- 今後ラジオに求めることはありますか?

最近は若者向けの番組を増やして聴取率を高めたい節がありますが、もっと僕たちやもっと上の世代が楽しめる大人向けの番組が増えて欲しいですね。NHKラジオの『ラジオ深夜便』じゃないですけど、大人が大人の会話をしている時間帯ってのは今も確実に支持されているわけで。『大沢悠里のゆうゆうワイド』でも毒蝮さんはただ暴言を放っているんじゃなくて、背後にふとした優しさや温かみが垣間見えたりするんですよね。酸いも甘いも知った大人が真っ昼間からバカ話をして生き抜こうよ、的なスタンスが僕はすごく気持ちいいんです。

- テレビとラジオのトーク番組の違いはどこにありますか?

テレビの討論番組とかは、話し手がキャラ立ちするから、プロレスみたいに感じちゃう。でも顔が見えないラジオは、特別な先入観をもたずに済むので「ああ、そうか」って素直に耳を傾けられるのがいい。クレバーな話し方だと、とても信憑性が沸くので、話し手の新しい一面が知れることもあります。とくに『小島慶子 キラ☆キラ』でのビビる大木さんは、あの柔らかいトークのアシストっぷりがすごい。テレビのバラエティ番組では、意外と気付かないものです。
日々の生活から仕事まで常にラジオが空気のような身近な存在という白根さん。話し手のルックスがもたらすパーソナリティよりも、トークの面白さが重視されるのが視覚に頼らないラジオの本質。大人のためによる大人の会話をピュアに楽しんでいるよう。ちなみにTivoli AudioのModel Oneは、会話のクリアな音質がお気に入りだとか。白根さんが好きなAMラジオにぴったりです。


文・小澤匡行
撮影協力・GALLERY SPEAK FOR http://www.galleryspeakfor.com/


エフエム芸術道場 http://www.tfm.co.jp/dojo/
ライムスター宇多丸のウィークエンドシャッフル http://www.tbsradio.jp/utamaru/index.html
小島慶子 キラ☆キラ http://www.tbsradio.jp/kirakira/index.html
ラジオ深夜便 http://www.nhk.or.jp/r1/shinya/
大沢悠里のゆうゆうワイド http://tbsradio.cocolog-nifty.com/yuyu/


しらねゆたんぽ●1968年埼玉県生まれ。桑沢デザイン研究所グラフィック研究科卒業後、フリーのイラストレーターとなる。最近の仕事にRIP SLYMEのDVD『QuickCut』のイラストなど。MdN Design Interactiveにて4コマ漫画『ユタンポ3000GTB』を連載中(http://www.mdn.co.jp/di/)。また白金のレストラン「クーリーズクリーク」にて、41名の作家が参画する『しあわせHAPPY展』(~2010年の1月30日)で作品を展示中。
http://www009.upp.so-net.ne.jp/yuroom